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<世界の義務教育>中国“テスト漬け”の英才教育で小学卒業時にエリート選抜

(2008年03月27日更新)

中国の子供たちをとりまく、エリート教育の現状とは?
海外在住の記者が取材、紹介します。

北京師範大学付属中学の優秀な生徒たち
北京師範大学付属中学の優秀な生徒たち
宿題に週末の塾通いと多忙な都市部の小学生

中国の都市部の子供たちの毎日はとても忙しい。小学生は朝7時過ぎに登校して自習し、授業を受けて、夕方4時頃まで学校で過ごす。週末はたいてい「補習班」と呼ばれる複数の塾へ通う。週単位、月単位でテストが行なわれ、中間テストや期末テストなどもあり、“テスト漬け”の生活ともいえる。

また、国際化が急速に進むなかで、「英語力抜きには生活向上が図れない」として、北京や上海などの公立小学校では、近年、1年生から英語の授業が行なわれるようになってきた。漢字の筆記練習、算数の計算問題など、ただでさえ膨大な宿題があるのに、英単語の暗記と筆記練習もしなければならない。

中国は英才教育の国である。小学校を卒業した時点で、卒業試験の結果を含む総合的な成績により優秀な子供たちが選ばれ、各地に設けられた国立の重点中学へ集められる。これは「示範性学校」とも呼ばれるエリート中学であり、北京市を例にとると700校ほどある中学のなかで20校前後が重点中学である。

そのほかの子供たちは、私立校へ進学する少数を除いて、多くが居住区にある普通中学に進む。ただし、この普通中学へ振り分けられた時点で、十中八九、全国各地にある重点大学への進学は絶望的といわれている。教育の内容、教員の質などで、重点中学とは歴然とした差があるからだ。

重点中学の一校、北京師範大学付属中学では、中学1年生から数学が「幾何」と「代数」に分かれている。授業はクラス単位でなく、細かく成績別にA班とB班に分けて行なわれる。英語の授業も、中学1年生の内容が、日本の中学3年生から高校1年生に相当するほどレベルが高い。

この北京師範大学付属中学の高級中学(高校)からの大学進学率はほぼ100%。しかも、全校生徒の約90%がエリート大学である国立の重点大学に進学している。

英語とIT教育規律を重んじる私立校

経済発展と国際化が急速に進む中国の大都市では、90年代半ば以降から私立校が増え、運営母体が国内外の政府系機関の学校やインターナショナルスクール、既存の学校に国際部を併設するケースなど、新たなスタイルの学校が続々と開校している。

北京市翔宇中学の寄宿舎(8人部屋)
北京市翔宇中学の寄宿舎(8人部屋)
こうした学校には、例外なく4つの特徴がある。すなわち、(1)外国語、主に英語教育の充実、(2)IT設備と教育の充実、(3)規律や規則正しい生活習慣の指導と寄宿舎の設置、(4)国内外の有名な学校への高い進学率――である。

私立校は教育費の負担が大きいことから、生徒の家庭は一定以上の経済水準にあるといえる。ただし、富裕層なら迷わず私立校を選択するわけでもない。中国では、偏差値の高い最高学府は伝統的な国立の重点大学であり、そこへ進学するためには歴史ある国立(公立)の名門校、つまり重点中学へ通うことが王道とされているからである。

私立校ではどのような教育が行なわれているのか。1995年に民営企業の投資によって開校した北京市翔宇中学を取材した。ここは、中等部と高等部の6年間の一貫教育制で、寄宿舎も併設され、基本的な生活に関する規律が厳格なことに加え、勉強をしっかりとさせることで定評がある。そのため、中等部での3年間で成績を上げ、よりレベルの高い高級中学(高校)へ転校する生徒が過半数を占める。

中等部では、英語の授業が週に7時限(1時限は40分)あり、一般的な国立中学より多い。視聴覚教室の設備も整っていて、英語を母国語とする外国人と同程度の発音をする中国人教師が早口で授業を行なっていた。

寄宿舎は男女が別々の階に分かれて、1部屋8人で共同生活を送る。寮母が部屋の清潔度を定期的にチェックし、ドアに貼られた星の数が多ければ、その部屋全体の整理整頓が行き届いていることを示す。各ベッドの柱にも、個人の整理整頓の状態がよければ星が貼られる。

ゲームなどの遊び道具や菓子を寄宿舎に持ち込むことは禁止されており、週末以外は校門から外へ出ることも許されない。テレビもなく、寄宿生の楽しみといえばおしゃべりである。

時間割には週に1度、テストが組み込まれていて、生徒は就寝以外のほとんどの時間を教室で過ごし、懸命に勉強に打ち込む。

国の政策のため、ひとりっ子が大半の中国で、このように厳しい教育環境にある子供たちは、教科の学習に加え、集団生活を通して規律と自立性を学びながら成長している。

※記事は作成日時点のデータですので、あらかじめご了承ください。

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