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ロードサイドの出店支援で1万件! 量販店を育てた陰の立役者が語る

ロードサイドの歴史と展望:大和ハウス工業株式会社

大和ハウス工業株式会社/B STYLE19月号より(2006年4月15日発行)

ロードサイド開発を語るうえで忘れてはならないのが、大和ハウス工業だ。
住宅メーカーとして知られる同社だが、ロードサイド開発でも30年以上の経験があり、 仲介した出店は、1万件を上回る。
業界の第一人者である大和ハウス工業に、同社のロードサイド開発の歴史と、 近く改正が予定されている「まちづくり3法」の影響などについて聞いた。

LOCシステムでは、単独店の出店はもちろん、ショッピングセンターや集客力をもつ専門店を集めたパワーセンターの開発も手がけている
LOCシステムでは、単独店の出店はもちろん、ショッピングセンターや集客力をもつ専門店を集めたパワーセンターの開発も手がけている
■アメリカの動向からロードサイドの発展を予測
大和ハウス工業がロードサイド事業に取り組みはじめたのは、1976年。
「それまで土地のオーナー様向けには、アパートなど、賃貸住宅による土地活用を提案していましたが、 76年からは、ロードサイドに出店する店舗に土地を貸すことを提案するようになりました」 (安藤昌之流通店鋪事業推進部事業推進グループ長)

「フリースタンディングのロードサイド店の出店では、当社が第一人者であると自負しています」と語る安藤昌之流通店舗事業推進部事業推進グループ長
「フリースタンディングのロードサイド店の出店では、当社が第一人者であると自負しています」と語る安藤昌之流通店舗事業推進部事業推進グループ長
当時、日本のロードサイド店といえば、中古車販売業とファミリーレストラン程度だった。 そうしたなか、同社がロードサイドの土地活用に乗り出したのは、アメリカの動向を研究した結果だった。
「当時、アメリカでは、商業施設の郊外進出が進んでおり、さまざまな業種・業態が郊外に進出していました。 日本でも、住宅地が、駅前から郊外に拡がりはじめ、生活圏の変化も生まれてきていました。こうした状況から、 日本でも将来、商業地が駅前からロードサイドに移っていくと予想したのです」(安藤氏)




■きめ細かなサポートで土地オーナーの信頼を獲得、量販店の誕生にも貢献
大和ハウス工業のロードサイド事業は、「LOC(ランドオーナー&カンパニー)システム」と呼ばれる。これは、土地のオーナーと出店地を探す事業者とを仲介し、 出店が決まれば大和ハウス工業がその建物を建設するというもの。同社では、 この事業で、仲介だけでなく、市場調査から経営計画、資金調達まで、細やかなサポートを行なってきた。
というのも、「出店候補地の多くはかつての農地で、土地のオーナーも個人の方がほとんどであり、 ”大手量販店と対等に契約ができるのか”といった不安も多かったため」(安藤氏)だ。

個人相手のコンサルティングは、企業を相手にする場合に比べ、時間も手間もかかり、 一見非効率だ。しかし、それが逆に他社にとっての参入障壁となった。地道なコンサルティングに より土地オーナーの信頼を獲得した同社は、これまでに1万件以上の出店を達成、 「フリースタンディングの出店支援においては、どこにも負けない」(安藤氏)という地位を確立したのだ。

大和ハウス工業がロードサイド出店をサポートした企業は、 紳士服量販店の「青山」や眼鏡専門店の「パリミキ」、靴の量販店「靴のチヨダ」など、 業界を代表する企業ばかりだが、同社がロードサイド進出を提案しはじめたころは、 「靴のチヨダさんは業界8、9番手、紳士服の青山さんにしてもまだ業界トップではなかった」(安藤氏)という。
量販店は、大量仕入れ・大量販売により成り立つ業態であり、ロードサイドでの多店舗展開がこのビジネスモデル を可能にしたことは周知のとおりだ。つまり、大和ハウス工業は、〝量販店"という新業態の確立を陰から支えた立役者でもあるのだ。

■注目の業態はドラッグストア、インターネットカフェ
大和ハウス工業がロードサイド開発に進出した70年代後半、主役は、ファミリーレストランだった。 その後、昭和の終わりから平成にかけて紳士服量販店が急成長した。同じころ、ファミリーレストランが和食の業態を開発、それをキッカケに、「焼肉店」「ラーメン店」「軽食」など、飲食業の専門店化が進み、 現在に至っている。

安藤氏によれば、現在、ロードサイドでコンスタントに出店が続いているのが、コンビニエンストアで、成長著しいのが、ドラッグストアだという。
「現在、ドラッグストア業界では、各地域の雄が決まりつつあります。 その後は、そうした雄の全国展開が進み、やがて寡占化が進んでいくでしょう」(安藤氏)

このほか、ホームセンターやインターネットカフェも注目する業態だという。とくにインターネットカフェは、先進国だけでなく、途上国と比べても、日本は普及が遅れており、 今後、ロードサイドでの出店が増えることが予想されると、安藤氏は見ている。
なお、一時の勢いが見られなくなった紳士服量販店でも、現在、スクラップ&ビルドが進んでおり、 これが一巡すれば、未出店地域への出店が再開されるだろうとのことだ。

■都市計画法改正は、フリースタンディング店のチャンスになる
ロードサイドの魅力は、「自分の看板で商売ができること」(安藤氏)だという。
ショッピングセンターや駅ビルにテナント出店する場合、自店の集客は、出店する施設自体の集客力に左右される。 これに対し、ロードサイドのフリースタンディングの店舗は、100%自分の力による。 したがって、「マスマーケットに対する商売をしていて、ネームバリューをつけていける可能性があれば、 新しい店であっても成長できる可能性は高い」(安藤氏)そうだ。

住宅メーカーとして知られる大和ハウス工業だが、ロードサイド開発でも30年以上の実績がある
住宅メーカーとして知られる大和ハウス工業だが、ロードサイド開発でも30年以上の実績がある
なお、現在、検討されている都市計画法改正の影響については、改正が実施された場合、 それが専門店にとってチャンスになる可能性もあるという。
「都市計画法の改正で規制されるのは、1万平方メートル以上の施設なので、複合商業施設、 大型商業施設は規制の対象になりますが、専門店が単独で出店する場合は、ほとんど問題になりません。 逆に大型店が出店しにくくなった分、専門店は、ライバルがいなくなり、ビジネスチャンスが広がります。 またこうした専門店の出店をサポートしてきた当社にとっても、チャンスになるでしょう」(安藤氏)
競争が加熱気味の感があるロードサイドだが、まだまだ発展の余地はあるようだ。

※記事は作成日時点のデータですので、あらかじめご了承ください。

備考

【企業基礎DATA】
大和ハウス工業株式会社
設 立:1955年3月
資本金:1101億2048万3981円
売上高:1兆923億8300万円
(2005年3月期)
従業員数:1万2197名
所在地:大阪市北区梅田3-3-5
電 話:06-6346-2111
URL http://www.daiwahouse.co.jp/
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