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サービス面での差別化を目指していくことが必要に

<朝礼ネタ>「Fintechの進展に向けて改正銀行法が成立」

株式会社リンク・ソリューション Biz STYLE編集部

2016年5月25日の参議院本会議で銀行法・資金決済法などを改正する法案が野党も含めた賛成多数で可決され、成立しました。情報通信技術の急速な進展を踏まえた改正であり、今後の金融界の動きにも注目が集まっています。

■なぜ今になって銀行法を改正する理由とは?
 情報通信技術の急速な進展は金融慣行にも大きな影響を与えており、いわゆるFinTechと呼ばれるITを活用した新しい金融サービスが生まれています。このような動きの中で、銀行とIT企業の共同事業、サービス開発も増えていますが、そこで問題となってきたのが銀行から事業会社への出資規制、いわゆる「5%ルール」の存在です。
 銀行は、銀行法によって、他業禁止規定などに加えて、銀行又はその子会社が国内の一般事業者の議決権について5%を越えて取得・保有することが禁止されているのです。これは、銀行が本業である金融業以外の事業の実施によって財務・業務の健全性が損なわれることを防ぐために設けられている規定なのですが、これをFintechの進展などの時代の変化に合わせていく方針です。

■Fintechの動きに乗り遅れていた日本の金融界
 Fintech革命発祥の地である米国では、シリコンバレーを中心に多くのベンチャー企業が生まれており、金融機関など大企業による投資も活発に行われておいます。これまで金融機関が担ってきた決済や海外送金業務についても、これを低価格で行えるオンライン決済代行サービス「ペイパル」など、Fintecn関連サービスが次々と生まれています。

 一方、日本国内に目を向けてみると、銀行法の規制もあって、金融機関からベンチャー企業への投資も進まず、欧米に周回遅れの差をつけられていました。今回の改正法によって、金融庁の認可が前提とはなりますが、銀行が金融関連のIT企業に対して制限を超えた出資が可能になります。銀行からベンチャーIT企業への出資が促されることが期待されており、ようやく日本でもFintechの進展が本格化していきそうです。
 また、決済業務などの従属業務を営む子会社の基準についても、収入依存度規制を見直していくとのことであり、より自由度が高まっていきそうです。ベンチャー企業への出資だけではなく、買収による子会社化・決済サービスの高度化にもつながっていきそうです。

■仮想通貨の位置付けも明確に
 今回の法改正のもうひとつのポイントとして、銀行法と合わせて資金決済法も改正して、「ビットコイン」などの仮想通貨の位置付けを明確なものにした点があげられます。
 改正法では、ビットコインに代表される仮想通貨について、物品やサービスの対価に使用できるなど財産的な価値があって法定通貨と交換できるものと定義した上で、仮想通貨の取引所を登録制とし、システムの安全管理などユーザー保護を義務付けしています。仮想通貨に対する規制強化とも受け止められますが、仮想通貨を法定通貨と同様の機能を持つと定義付けしたという一面もあるところです。法的な位置づけが明確化されたことによって、今後の仮想通貨市場の活性化にもつながるのではないでしょうか。
 仮想通貨は、国際的な資金流動性・利便性を飛躍的に向上させると期待されていましたが、ビットコインの取引所を運営していたマウントゴックスが2014年に経営破綻した騒動を受けて、その信頼性は地に落ちてしまいました。今回の改正法では、仮想通貨の取引所を登録制にすることが決まりましたが、これによって取引所の信頼性を向上し、不信感を一掃させることを期待します。
 これまで仮想通貨は、通貨なのか物品なのか、はたまた無形のサービスなのか、その位置付けが不明確だったこともあり、法規制を受けないアンダーグラウンドな一面もありました。マネーロンダリングに使われているのではないかとの指摘もありましたが、今回の法改正で環境整備が行われたことによって、ようやく日本市場でも市民権を得て活動ができるようになっていきそうです。

■これからの金融機関はIT企業との連携が必要不可欠
 一連の銀行法、資金決済法などの改正は。資金の決済は法定通貨で行う、決済業務は銀行などの金融機関が独占して行うといった従来の常識を根底から見直すものであり、銀行のビジネスモデルに与える影響も大きいところです。
 また、日本銀行がマイナス金利を導入したことによって、日本銀行に資金を預けてさえおけば利息収入が得られるということもなくなっています。今後、銀行などの金融機関は、単に資金を預かって運用するだけではなく、市中から調達した資金をベンチャー企業・中小企業へ仲介していくといった本来の役割に立ち戻る必要があるのです。

 銀行には、今回の銀行法、資金決済法などの改正によって可能となったIT企業との連携を通じて、サービスの高度化や付加価値の向上に努めていってもらいたいところです。取引先獲得にあたっても、単に金利の高低のみによって競争するのではなく、このようなサービス面での差別化を目指していくことが必要になっていくことでしょう。



※記事は作成日時点のデータですので、あらかじめご了承ください。

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