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酒蔵の伝統の技が突破口に

地域資源が新たな可能性を生む

佐々木酒造株式会社(京都府京都市)

京都産米と米麹、紀州の果汁が入ったノンアルコール醸造飲料「白い銀明水」。
創業120年を越える佐々木酒造(京都上京区)が京都ならではの甘口の清酒製造法の技術を活かしてつくった「天然のエナジードリンク」である。
商品の誕生は冬季しか仕事がなかった酒蔵が抱える課題の解決が出発点。
地域や自社といった足元にある財産に気付いたとき、地域資源は未知の可能性を秘めた宝に変わる。

■厳しい状況の酒造業界で留守番役のつもりが跡継ぎに
 「聚楽第」、「古都」、「西陣」-。呑兵衛の間で、京都の蔵元として必ずと言っていいほど名前が挙がる佐々木酒造(京都府上京区)は、かつて豊臣秀吉が築いた広大な邸宅、聚楽第の南端に位置する創業120年を誇る蔵元である。茶道を愛した秀吉が水の良さからこの地を選んだとも伝わる良質な地下水は、もちろん美味しい酒造りにも欠かせない。
ノンアルコール飲料「白い銀明水」
ノンアルコール飲料「白い銀明水」

 「一麹、二酛、三造り」と言われるように酒造りの要の一つ、麹づくりの技を活かしたノンアルコール醸造飲料「白い銀明水」は地域資源を活用した夏限定の商品。その誕生の裏には、厳しい酒造業界の現状を打破しようという四代目社長、佐々木晃氏の熱意があった。
 現在、京都の酒処としては伏見が有名だが、かつては「洛中」と呼ばれる京都の中心地に蔵元が集中していた。だが、日本酒出荷量のピークだった昭和48年を境に需要は減少の一途を辿る。
見切りをつけて移転や廃業、転業する蔵元も少なくなかった。室町時代には300軒あまり、明治に至っても165軒あった京都中心地の蔵元は、いまや佐々木酒造を含めて2軒のみ。全国的にも高度成長期には3000軒以上あった蔵元が1200~1300軒ほどにまで減ったと言われている。「弊社もピーク時に比べれば、出荷量は3分の1程度に減少した時もありました。それでも続けてきたのは、やはり先代である父が酒造りが好きやったから。さらに自分の蔵で造った酒を売ることも楽しんでいたからです。私も同じ思いです」と佐々木氏は語る。
 大学卒業後、産業機械メーカーで電動工具の販売をしていた佐々木氏。顧客の元へ通ううちに商品に対する改善点や要望を耳にするようになる。しかし、それを工場に伝えても「顧客の要望を聞く部署は別にある。販売に専念しろ」と取り合ってはもらえなかった。「組織の在り方としては正しいのかもしれませんが、当時は『面白くないな』と思ってしまったんです」(佐々木氏)。
佐々木酒造 佐々木晃社長<br />「酒造りの作業を数値化し、マニュアル化する試みを始めています」
佐々木酒造 佐々木晃社長
「酒造りの作業を数値化し、マニュアル化する試みを始めています」

 2年間勤めた会社を辞め、1994年、実家の佐々木酒造に入社。自分の意見や思いが直に酒造りに反映された。いつの間にか先代が味わってきた楽しみや面白味を自身も味わっていた。
 男三兄弟の末っ子だった佐々木社長。跡を継ぐつもりはなかったが、長兄は建築のコンサルに、跡継ぎとして農学部で酒米の研究をした次兄は役者の道へ。
 入社当時はしばらくしたら次兄が戻るだろうと高を括っていた。自分はそれまでの“留守番役”にすぎない、と。その後、兄・佐々木蔵之介氏は俳優として名を馳せ、2010年に晃氏が家業を継いだ。

※記事は作成日時点のデータですので、あらかじめご了承ください。

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