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<朝礼ネタ>「経営者の高齢化に伴う中小企業の事業承継問題」

株式会社リンク・ソリューション Biz STYLE編集部

アベノミクスの効果もあり、倒産件数は減少していますが、一方で解散・休廃業件数は増加傾向にあり、創業件数が伸びないことも相まって中小企業の数そのものは減り続けています。このような現象が発生する要因のひとつとして、経営者の高齢化が挙げられています。国内総生産、雇用の多くを支える中小企業を維持するにあたっては、高齢経営者から若手後継者への事業承継を円滑化していくことが課題となります。

■中小企業の解散・休廃業が増えている
 日本の企業の99.7%が中小企業です。従業員雇用数でも70%を占めていることから、中小企業は雇用を守り、地域経済・社会を支える存在として、日本の経済活動の基盤になっています。一方、日本の中小企業の数は、1999年に484万社あったものが年々減少を続け、2014年には381万社にまで落ち込みました。減少要因としては、景気減退期における倒産も含まれていますが、ここ数年は解散・休廃業によるものが増えつつあります。倒産件数自体は、2012年以降の景気回復によって2014年には1万社を切りましたが、解散・休廃業件数は年間3万社程度と、景気回復の波と関係なく続いています。
 なぜ、景気が回復基調にあるにもかかわらず、解散・休廃業件数は減少しないのか。この原因のひとつとして、中小企業経営者の高齢化があげられます。
出典:中小企業庁 「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」
出典:中小企業庁 「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」


■中小企業経営者の高齢化は深刻な課題
 中小企業庁が実施した調査によると、中小企業経営者の年齢のピークは66歳であり、この20年間で経営者年齢の山が47歳から66歳に移動しているとのことです。つまり、この20年間、中小企業の事業承継がほとんど行われず、そのまま経営者年齢に反映されているとも分析できます。また、経営者の平均引退年齢も上昇しており、30年以上前は60歳前後で引退していたものが、直近では中規模企業で67.7歳、小規模事業者では70.5歳にまでなっています。
 また60歳以上の経営者のうち、50%超が廃業を予定しているとのことであり、特に個人企業においては「自分の代で事業をやめるつもりである」との回答が68%を占めています。廃業の理由では、「当初から自分の代でやめようと思っていた」という回答が一番多いものの、「子どもに継ぐ意思がない」「子どもがいない」「適当な後継者がいない」といった後継者難を理由とする回答も28.6%を占めており、中小企業の事業承継に向けては後継者探しが課題となっています。中小企業経営者自身も60代・70代となっている中では、子ども世代も50代近くになっているものと推測されます。20年前の経営者年齢の山が47歳であったことを考えると、50代から事業承継・会社経営に乗り出していくのは大変なことといえるでしょう。

■中小企業の解散・休廃業は社会全体にとって大きな損失
 日本政策金融公庫総合研究所が行った「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」によると、廃業予定企業であっても3割の経営者が、同業他社よりも良い業績をあげている、今後10年間の将来性についても4割の経営者が少なくとも現状維持は可能と回答しています。このような中小企業が、後継者が見つからないことのみをもって廃業を選択していくことは、雇用の維持、技術やノウハウの伝承からも大きな問題であり、社会全体にとって大きな損失になると言えます。
 一方で、70代、80代の経営者であっても事業承継の準備が終わっていると回答しているという回答は半数以下にとどまっており、後継者の確保や事業用資産の整理が終わっていない企業が多数を占めています。このままでは、経営者の引退・死亡と同時に企業生命も終わってしまうという事態に陥りかねません。

■事業承継に向けた課題と解決策
 中小企業の事業承継に向けた課題として大きいのは後継者の不在ですが、同時に、相続税・贈与税といった税負担、借入金や債務保証の引き継ぎといった財務面の課題も大きいところです。
 特に中小企業経営者の場合、会社としての借入に経営者の個人保証がついていることも多いため、後継者側でも二の足を踏んでしまう実情があります。このようなときに助けとなるのが経営者保証ガイドラインの存在でしょう。金融庁においても、金融機関に対して、同ガイドラインを活用して、経営者保証を要さない融資や既存融資から経営者保証を取り除いていくように指導しています。経営者保証が気がかりで事業承継が進まない場合には、取引金融機関に融資条件の変更を相談してみるのも良いでしょう。
 また、最近では親族外への事業承継や他社への事業譲渡いった形で企業を存続させることも増えています。中小企業庁では、専門家からの相談を受けられる事業引継ぎ支援センターを全国に設置していますので、一度、相談してみることをおすすめします。
 加えて、事業承継に伴って新たな事業分野に挑戦していく場合には、第二創業補助金を申請することができます。中小企業の事業承継には様々な課題がありますが、このような公的支援を活用することも視野に入れて、早い段階から準備を進めておくことが重要となります。


※記事は作成日時点のデータですので、あらかじめご了承ください。

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