事業領域を「人の成長」に定める
個別指導塾による留学支援サービス
ISC留学net(静岡県浜松市)
事業領域を「人の成長」に定める一人ひとりに合った留学をサポートすることで高い評価を受けているISC留学net(静岡県浜松市)。
その原点には「人を育てる」という強い意志があった─。
■学習塾と留学の融合
日本人の海外への留学者数は、最新の調査によると年間6万人強。そのうちアメリカへ留学する人の数は2万人に届こうとしている。現在では社内公用語を英語とする企業も増え、グローバル化する社会の中、企業人にとって英語力はますます求められている。
そんな社会のニーズに応え、事業を展開しているのが、大場規之氏が代表を務める「ISC留学net」だ。前身は、静岡県の学習塾「和田塾」が単体で行っていた留学事業。それを「地方の学生にも留学の機会を提供したい」(大場氏)という思いから、加盟塾を増やし、ネットワークを全国に広げていった。
当初は、受験英語を教える学習塾とコミュニケーション英語を身に着ける留学は相容れない、という意見も多かったという。しかし、大場氏は「塾も留学も同じ教育。どちらも人を成長させる」と自らの脚で全国各地の塾を訪問し、説得して回った。
生徒一人ひとりに合った留学を提供するという姿勢は、次第に受け入れられ、評価も高まっていった。現在は全国47都道府県すべてに加盟塾を持ち、海外へ送る生徒数も年間100名を数えるまでになった。
■日本人の意識レベルを高めたい
海外の企業に勤務していた大場氏が、かつて勤めていた和田塾に戻ってきたのは、創業者である和田了氏の一言がきっかけだった。「余命がない。後を継いでほしい」。2009年、その想いに応え、和田塾の代表となる。
当時の留学事業は年間数名を海外へ送る程度の規模。このまま事業を継続するか、縮小するか、やめるか。選択肢は3つあった。悩んだ大場氏は、留学生の生の声を聞くため、ニュージーランドに渡る。そこで聞いた、愛知の女子留学生の答えは意外なものだった。「留学して友だちを失いました」。彼女は日本の友人と話が合わなくなったというのだ。海外では学生は当たり前のように課題のレポートの話や卒業後の未来の話をする。それが、日本では通用しない。意識のレベルが明らかに低はバブル時と比べて半数にまで減っていた。間違いなく時代に逆風が吹いていた。それでも「潜在的なニーズはある。マーケットは掘り起こせばいい」(大場氏)と信じ、留学事業を広めるために動きはじめた。
一カ月かけて世界各地の学校に赴き、自身の目で安全性、サポートの有無等を確かめた。その事実をもって、加盟塾を説得して回った。留学のノウハウは和田塾がすでに培っている。こうして「ISC留学net」は誕生した。
■中小企業の新しい挑戦の形
母体である和田塾は、2016年1月、高校も運営する名学館掛川校、英語による保育園も運営するオブネット英語学院と合併し、株式会社ライトハウスエデュケーションと名前を変える。競合する中小企業が、協同の形で合併するのは極めて異例なことだ。だが、この構想を大場氏は3年前からすでに抱いていた。
塾と留学を事業の柱とする和田塾に、英語学習を提供する英語学校と、高校、保育園が加われば、教育関係をより包括的にカバーしたビジネス展開が見込める。「会社の壁を取り払えば、中小企業でもできることは大きく広がる。これは挑戦」(大場氏)。「ISC留学net」も当然ながら合併の恩恵を受ける。まず目指すのは、拠点を200にまで増やすこと。その先には、保育園児から定年退職者まで、幅広い層を想定した留学の提案も視野に入れている。「『留学は塾に聞け』という新常識を作りたい」(大場氏)。同社の留学支援事業は、いま次のステージへと登りつつある。
<Company Profile>
株式会社 ライトハウスエデュケーション
静岡県浜松市中区佐鳴台 5-28-2
053-449-1144
資本金 7000万円
従業員 97名(ISC留学net事業は6名)
http://iscnet.jp
日本人の海外への留学者数は、最新の調査によると年間6万人強。そのうちアメリカへ留学する人の数は2万人に届こうとしている。現在では社内公用語を英語とする企業も増え、グローバル化する社会の中、企業人にとって英語力はますます求められている。
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そんな社会のニーズに応え、事業を展開しているのが、大場規之氏が代表を務める「ISC留学net」だ。前身は、静岡県の学習塾「和田塾」が単体で行っていた留学事業。それを「地方の学生にも留学の機会を提供したい」(大場氏)という思いから、加盟塾を増やし、ネットワークを全国に広げていった。
当初は、受験英語を教える学習塾とコミュニケーション英語を身に着ける留学は相容れない、という意見も多かったという。しかし、大場氏は「塾も留学も同じ教育。どちらも人を成長させる」と自らの脚で全国各地の塾を訪問し、説得して回った。
生徒一人ひとりに合った留学を提供するという姿勢は、次第に受け入れられ、評価も高まっていった。現在は全国47都道府県すべてに加盟塾を持ち、海外へ送る生徒数も年間100名を数えるまでになった。
■日本人の意識レベルを高めたい
海外の企業に勤務していた大場氏が、かつて勤めていた和田塾に戻ってきたのは、創業者である和田了氏の一言がきっかけだった。「余命がない。後を継いでほしい」。2009年、その想いに応え、和田塾の代表となる。
![]() 学校の体制はもちろん、日本人のサポートの有無や、安全に暮らせる町かどうかの確認など、留学先の選定に徹底的にこだわるのもISC留学netの大きな特徴だ |
当時の留学事業は年間数名を海外へ送る程度の規模。このまま事業を継続するか、縮小するか、やめるか。選択肢は3つあった。悩んだ大場氏は、留学生の生の声を聞くため、ニュージーランドに渡る。そこで聞いた、愛知の女子留学生の答えは意外なものだった。「留学して友だちを失いました」。彼女は日本の友人と話が合わなくなったというのだ。海外では学生は当たり前のように課題のレポートの話や卒業後の未来の話をする。それが、日本では通用しない。意識のレベルが明らかに低はバブル時と比べて半数にまで減っていた。間違いなく時代に逆風が吹いていた。それでも「潜在的なニーズはある。マーケットは掘り起こせばいい」(大場氏)と信じ、留学事業を広めるために動きはじめた。
一カ月かけて世界各地の学校に赴き、自身の目で安全性、サポートの有無等を確かめた。その事実をもって、加盟塾を説得して回った。留学のノウハウは和田塾がすでに培っている。こうして「ISC留学net」は誕生した。
■中小企業の新しい挑戦の形
母体である和田塾は、2016年1月、高校も運営する名学館掛川校、英語による保育園も運営するオブネット英語学院と合併し、株式会社ライトハウスエデュケーションと名前を変える。競合する中小企業が、協同の形で合併するのは極めて異例なことだ。だが、この構想を大場氏は3年前からすでに抱いていた。
![]() ライトハウスエデュケーション 大場規之会長 「ビジネスとして大きく広げることよりも、『その人にしかできない留学』にこだわりたい」 |
塾と留学を事業の柱とする和田塾に、英語学習を提供する英語学校と、高校、保育園が加われば、教育関係をより包括的にカバーしたビジネス展開が見込める。「会社の壁を取り払えば、中小企業でもできることは大きく広がる。これは挑戦」(大場氏)。「ISC留学net」も当然ながら合併の恩恵を受ける。まず目指すのは、拠点を200にまで増やすこと。その先には、保育園児から定年退職者まで、幅広い層を想定した留学の提案も視野に入れている。「『留学は塾に聞け』という新常識を作りたい」(大場氏)。同社の留学支援事業は、いま次のステージへと登りつつある。
<Company Profile>
株式会社 ライトハウスエデュケーション
静岡県浜松市中区佐鳴台 5-28-2
053-449-1144
資本金 7000万円
従業員 97名(ISC留学net事業は6名)
http://iscnet.jp
※記事は作成日時点のデータですので、あらかじめご了承ください。