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早期のルール策定が求められています

<朝礼ネタ>「クレジットカードの決済データに眠るビジネスチャンス」

株式会社リンク・ソリューション Biz STYLE編集部

2016年2月29日、経済産業省は「クレジットカード産業とビッグデータに関するスタディグループ」の報告書を公表しました。クレジットカード決済に伴って得られるビッグデータの活用に向けた提言が盛り込まれており、今後の動きに注目が集まります。

■従来のビジネスモデルが崩れつつあるクレジットカード産業
 これまでクレジットカード会社では、分割払いの金利やリボルビング払いの手数料を収入源としたビジネスモデルを構築してきました。しかし近年になって、このモデルが崩れつつあります。また、電子マネーなどのクレジットカード以外のキャッシュレス決済手段の登場によって、市場での優位性も失われつつあるのが現状です。従来のビジネスモデルに固執したままでは、電子マネーなどの新たに登場したプレーヤーとの間で、市場において分け合う形になっていくため、産業としての成長が見込めなくなっていきます。


■ビッグデータに活路を見出す
 苦境に立たされているクレジットカード産業ですが、このような中で起死回生の一打として期待されているのが、クレジットカード決済とともに蓄積されるビッグデータです。電子マネーなどと違って、クレジットカードは保有者の情報を、信頼度の高い形で保有しているため、ビッグデータから消費者意識・行動を精緻に分析できる強みを持っています。
 クレジットカード産業が生き残っていくためには、このビッグデータを核として、付加価値の高いサービスを加盟店に提供していくことが求められます。確かにこれまでも加盟店との提携カードを通じたデータの提供・活用が行われてきましたが、これを更に範囲を広げて提携先にとどまらず、広く小売企業やメーカーにも提供し、商品・サービスの改良・新規開発に役立てていくことも考えられます。

■小売店・メーカー側にもメリットが大きい
 本格的な人口減少社会に突入している中で、小売店・メーカーにおいても生き残りを図っていく上では、国内顧客においてはリピーターを増やしていくとともに、海外からのインバウンド需要を取り込んでいくことが重要になっていきます。
 このような状況において、クレジットカード産業が保有するビッグデータを利用した消費者分析に基づくマーケティングの位置づけが大きくなっていきそうです。例えば、小売店では、消費動向に基づいた店舗戦略の策定、メーカーにおいても最新のトレンドに合致した商品開発に活かしていくことが考えられます。既にビッグデータを活用したマーケティング支援を実施する企業も現れていますので、クレジットカード産業としてもこの流れに乗り遅れないようにしていく必要があります。

■データの標準化が課題
 一方、クレジットカード産業が保有するビッグデータをマーケティング分析の素材としていくためには、「データの標準化をどう実現するか」が課題となっています。
 今後、クレジットカードに紐付いたデータをマーケティングに活用していくためには、消費者の属性データ、店舗データ、購買データなどが必要になると考えられます。消費者の属性データについては、クレジットカードの申し込みや更新審査時点で入手できるので問題なさそうです。しかし店舗データ、購買データについては、クレジットカード会社ごとにバラつきが大きくなっています。特に、店舗データについては支店名や店舗所在地まで把握する必要があり、支店や単位で売上を計上していない、略称表記が異なるなどを理由に、個別のデータを収集するのに時間がかかるといった側面があります。
 ビッグデータとして活用していくためには、クレジットカード会社同士が連携して、データの標準化を進めていくことが求められていきます。

■個人情報の取り扱いルールも明確に
 クレジットカードに限らず、ビッグデータを活用していくにあたって課題となるのが個人情報の取り扱いです。
 2013年にJR東日本がSuicaによる駅の乗降履歴データを販売しようとしたときの騒動は、まだ記憶に新しいと思います。販売を予定していた乗降履歴データは、氏名や電話番号など個人を識別できる情報を取り除いたものでしたが、それでも利用者側の反対の声は大きなものになりました。自身の行動記録がデータとして販売されることに対する拒否反応は企業側の予想以上に強いものと言えます。「クレジットカード産業とビッグデータに関するスタディグループ」においても、個人情報の保護、プライバシーに配慮していく観点から、匿名加工の処理方法、水準についてルール化していくことが必要との指摘がされているところです。

■ビジネスチャンスを眠らせたままにしないために
 データの標準化、個人情報の保護など、解決していかなければいけない課題はいくつかあります。しかしクレジットカード会社が保有するビッグデータには大きなビジネスチャンスが眠っており、これを使わない手はありません。利活用に成功すれば、従来のPOSデータは分からなかった顧客の属性情報を活用したマーケティング手法の確立も期待できますし、クレジットカード決済を通じて訪日外国人の消費動向を分析できる可能性もあります。クレジットカードの決済データに眠るビジネスチャンスを活かしていくためにも、早期のルール策定が求められています。



※記事は作成日時点のデータですので、あらかじめご了承ください。

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