2時間で1000個以上を販売「痛印」 | Biz STYLE

Biz STYLE 経営者・経営幹部のための総合経営情報サイト

Biz STYLEホーム > ビジネスマガジン > 2時間で1000個以上を販売「痛印」

ビジネスマガジン

インターネットを中心に瞬く間に広がり、2時間で1000個以上を販売

2時間で1000個以上を販売「痛印」

e3paper(埼玉県越谷市)

キャラクターなどのイラストを印鑑の印面に彫った「痛印」が話題だ。自分で描いたイラストを印鑑にできるうえ、印材が通常の印鑑と同様の柘植のため、銀行の口座開設の際にも使える。これまでにない「痛い」アプローチがおもしろいと、インターネットを中心に瞬く間に広がり、今や多くのアニメとのコラボレーションの依頼が後を絶たない。

■“痛い”印鑑誕生!
 かわいらしい女性が描かれた、いわゆる「萌え系」イラストを大きくペイントした車やパソコンは、「痛い車」すなわち「痛車(イタシャ)」、「痛PC(イタピーシー)」などと呼ばれ、数年前から話題となっている。2012年6月。こうしたイラストを自分の名前と共に印面に彫る〝痛い〟印鑑、「痛印」のオーダーメイド印鑑専門店・痛印堂がウェブ上でオープンした。
 運営する e3paper(イースリーペーパー)(埼玉県越谷市)は、もともと3Dモデルを使って簡単につくれるマンガ作成ツール「コミpo!(コミポ)」の販売代理店だった。同時にマンガ作成用の3D素材のウェブマーケットを運営しており、最初は、「取引先からコミpo!ユーザー向けにキャラクターグッズの販売提案があった」。e3paper の中川貴文代表は、痛印堂誕生のきっかけをこう語る。
アニメ印鑑シリーズ第一弾として発売された「魔法少女まどか☆マギカ」印鑑<br />丸印 18.0mm・柘植印鑑3600円/本  ※限定商品のため、すでに完売
アニメ印鑑シリーズ第一弾として発売された「魔法少女まどか☆マギカ」印鑑
丸印 18.0mm・柘植印鑑3600円/本  ※限定商品のため、すでに完売

 提案があった2011年当時、萌え系のキャラクターグッズの人気は絶大のうえ、コミpo!には著作権フリーの萌え系マンガが多数あった。そこで、こうしたマンガのキャラクターを使い、タオルや名刺、ゴム印などのグッズ制作販売を提案されたのだ。
 しかし、熱烈なファンがいるとはいえ、コミpo!ユーザーだけでは市場
が狭い。幅広い商材を扱うより、「一つに絞った方がいいと思った」(中川氏)。そこで、ゴム印などの印鑑に絞り製造販売しようとの話になった。だが、試作品を見た中川氏は首をひねった。「商品はいい。でも、どこのハンコ屋でもできる――」。ほかにない独自のものをつくるべきだと考えたのだ。
 その時ふと、「柘植(つげ)を素材とした本格的な印鑑にしてみてはどうか?」とアイデアが浮かんだ。こうしてできたのが、見た目は普通の印鑑だが、捺すとそこに萌え系のキャラクターがあらわれる、これまでにない印鑑だった。

■業界知識を吸収
 中川氏は、まず印鑑を取り扱う複数の会社に赴き教えを乞うた。調べていくうちに分かったことだが、これまでも家紋印鑑や戦国武将印鑑など、いくつかの会社がイラスト入りの印鑑を製造販売していた。だが、いずれも一つのブランドとして統一されているものはなく、中川氏はそこに新たな市場の可能性を見出したのだ。
 そこで、ブランド名を決めようと案を出し合った。さまざまなアイデアが挙がる中、「痛印」にしてはどうかという意見が出た。当時、ちょうど、痛車、痛PCなど、「痛い」という言葉をよく聞くようになっていた。「ふざけているようでもあったが、日本に一つくらい〝痛い〟印鑑を売るネットショップがあってもいいと思った」と中川氏は語る。
 さらに、同人誌の業界で有名なアニメーターやイラストレーターに、サンプルとして痛印のイラストを依頼。それをウェブサイトに掲載することで、話題性とファンの信頼を獲得した。
 こうして、2012年6月、「あなたのイラストを印鑑にしませんか」というキャッチフレーズで痛印のオーダーメイドサービスが開始された。

■限定品でマニア心を掴む
 有名なアニメーターなどがイラストを提供したこともあり、「発売当初から注文が殺到した」(中川氏)。柘植でつくったことで、単なるおもちゃのスタンプではなく、銀行印など従来の印鑑としても使える実用的な側面も、ユーザーに受けた。
印面だけでなく印材の側面にイラストをプリントしたものや、印鑑ケースが欲しいといったユーザーの声から生まれた「至高の痛印」。1万2500円という価格にもかかわらず、50個の限定セットは発売後20分で完売。次にはバージョンアップさせた第2弾を企画中だ
印面だけでなく印材の側面にイラストをプリントしたものや、印鑑ケースが欲しいといったユーザーの声から生まれた「至高の痛印」。1万2500円という価格にもかかわらず、50個の限定セットは発売後20分で完売。次にはバージョンアップさせた第2弾を企画中だ

 最初はユーザーが描いた絵を痛印にするオーダーメイドのみの対応だったが、次第に既存のイラストを使って痛印をつくりたいという要望が増えてきた。2012年12月には、サンプルではなく販売用にイラストを提供してもらい、既存のイラストに名前を入れた痛印の販売を開始。また、「印面だけでなく印材の側面にもイラストを入れたい」、「専用ケースが欲しい」といった、ユーザーからの声を反映する限定モデル 「至高の痛印」を発売した。
 痛印は、銀行や郵便局などでは通常の印鑑と同じように使える。だが、市役所などでは、「印鑑の図案化は登録できない」とされる自治体もあり、すべてのシーンで使えるわけではない。こうしたことを踏まえ、「至高の痛印」では、印面にイラストと名前を入れたものに加え、印面は文字のみで印材の側面にイラストをプリントしたものを2本組としてセットにした。どんなシーンでも痛印を使うことができるようにしたのだ。さらにイラストがプリントされた印鑑ケース、印鑑を捺印するときに使うシートを加え、4点をセットにした。価格は1万2500円。印鑑としては高額だったが、販売した限定50個は、発売開始から20分で完売したという。
 痛印がインターネットを中心に大きく話題となったことが、新たな取り組みへの呼び水となった。その最たるものが、2010年にテレビアニメで放映され、一部の熱狂的なファンをつくった「魔法少女まどか☆マギカ」というアニメとのコラボレーションだろう。「担当者と知り合いだという人からアプローチがあった」(中川氏)。限定生産で1000本以上の印鑑を用意したが、およそ2時間で完売。これは通常の印鑑専門店で3カ月かけて販売する本数だという。
 イラストを実用的な印鑑に使うという、ありそうでなかった発想から、さまざまな広がりを見せている痛印。最近では、登記用にも使える、会社のロゴマークの印鑑制作の依頼もあるという。今まさに巻き起こった痛印旋風は、更なる世界へとその広がりを見せていく。

<Company Profile>
 e3paper 合同会社(痛印堂)
 埼玉県越谷市大字西方 3037-3
 03-5843-6972
 痛印堂ウェブサイト
 http://www.itaindou.com/
 http://store.branchproducts.com/
定期購読の詳細はこちら(Fujisanへ)
定期購読の詳細はこちら(Fujisanへ)

※記事は作成日時点のデータですので、あらかじめご了承ください。

関連カテゴリ

関連記事

関連記事

RSS Feed

Biz STYLE RSS
RSSについて
2時間で1000個以上を販売「痛印」:中小企業経営・新規事業ほか企業経営に今すぐ役立つ! | Biz STYLE

新規事業/フランチャイズ情報:外食 | 美と健康 | 教育 | 食品流通 | 保険・不動産 | 支援ブランド
セミナー/イベント情報:経営セミナー | 事業説明会 | 経営課題別研修

Copyright ©2014 Link Solution Co.,Ltd.

経営者と経営幹部のための、経営情報・経営セミナーの「Biz STYLE | ビズスタイル」