人脈づくりのプロが教える「名刺交換のポイント」 | Biz STYLE

Biz STYLE 経営者・経営幹部のための総合経営情報サイト

Biz STYLEホーム > ビジネスマガジン > 人脈づくりのプロが教える「名刺交換のポイント」

ビジネスマガジン

小さな違いで「知人」が「仲間」に

人脈づくりのプロが教える「名刺交換のポイント」

ウィズグループ(東京都港区)

IT業界を中心に、国際会議やトレードショーなどのイベント運営を手がけているウィズグループ(東京都港区)奥田浩美社長。人と人をつなぎ、「出会う場所」をつくり出すという点で、まさに人脈づくりのプロと言える。名刺交換後に縁をつなげられるか否か、その違いはどこにあるのか聞いた。

■名刺には愛を込めて
 「人脈を広げるために」とパーティや異業種交流会に参加しても、名刺を交換したあとがつながらない――。そう感じている人は多いのではないだろうか。
 「漠然と名刺交換しても、自分の名刺が減るだけで、肝心の顔も印象も覚えてもらえないことの方が多い」とウィズグループ・奥田浩美社長は言う。日本におけるIT業界の大規模なイベント運営に関して、第一人者として知られる奥田氏。年間で3000人を超える人と会う中、これまで多くの信頼できるビジネスパートナーを得てきている。
ウィズグループ 奥田浩美社長<br />「この人の考えとこの人のアイデアを結びつけたら面白いんじゃないか」と思えばすぐに紹介する。「自分が人と人とをつなぎ、新しいものが生まれるのは楽しい」と奥田氏は言う
ウィズグループ 奥田浩美社長
「この人の考えとこの人のアイデアを結びつけたら面白いんじゃないか」と思えばすぐに紹介する。「自分が人と人とをつなぎ、新しいものが生まれるのは楽しい」と奥田氏は言う

 そんな奥田氏によると、こうした交流会に参加した際の明暗は、名刺を交換する「前」に何をするかで決まるのだという。「どんなメンバーが集まるかを聞き、その中で誰と話したいかあらかじめ決めておく」。奥田氏は自身が交流会に参加する際のポイントをこう語る。その際、なぜ会いたいと思ったか、興味を持った事項について調べておき、話す内容を用意する。
 事前に準備しておくことで、実際会った時に相手に与える印象は、全然違ったものになる。「『ぜひ会いたいと思っていた』と話しかけてきた人を、最初から嫌う人はいない」(奥田氏)。好印象と共に顔と名前も覚えてもらえるのだ。たとえ短い時間しか話せなくても、より深い内容の話ができる可能性は高い。
 また、このやり方なら参加する本人も「今日のパーティでは○○さんに会い、この話について聞く」という確固たる目的が持てる。そうすれば、せっかく参加したのに誰とも交流できず、会場でポツンと1人になってしまうこともなくなる。「要は名刺に〝愛を込める〟こと」(奥田氏)。「あなたに会いたかった」との気持ちが、差し出した名刺に伴っていることが大切なのだ。その気持ちがなければ、どれほど多くの人に会っても、後々生かせる人脈として広がる可能性は極めて低いだろう。

■「知人」が「仲間」に
 また奥田氏は、2009年から人と人をつなぐ「BRIDGE(以下、ブリッジ)」というイベントのサポートも行った。これは、IT分野を中心とした若手起業家が集い、プレゼンテーションや展示などが行われるイベントだ。1日限りではなく、2カ月おきくらいにテーマを決めて何度か行われた。
 IT業界には、比較的若いうちから起業を考える人が多い。だが彼らは、通常は独立独歩で外に出る機会も少なく、横のつながりを得ることが難しい。斬新なアイデアを持っていてもそれをどう生かすべきか考えあぐねている若手起業家たちに、それを発表する場や、新たなヒントを得られる場を提供したいと考えたのだ。
 きっかけとなったのはリーマンショックだった。奥田氏が手がける国際会議のクライアントは、ほとんどが外資系企業。リーマンショックの影響で、日本での国際会議やイベントは軒並み中止となった。「数カ月間、仕事がほぼゼロの状態になってしまった」と奥田氏は当時を振り返る。
 そんな時、知り合いからブリッジの構想を聞き、「お金になる仕事がないなら、世のためになることをやろう」と、ボランティアでイベント事務局のサポートを中心とした支援を行うようになった。
 この活動で深く関わるようになったメンバーの大半は、以前からの知人だ。それまでは、お互いにどんな仕事をしているかぐらいはもちろん知っていたが、そこまでの存在だった。それが、一緒にブリッジの活動をするうちに、人柄や考え方など、深い部分までわかってきた。〝単なる知人〟だった人が、ビジネス以外の活動を一緒に始めることで〝仲間〟になったのだ。
奥田氏が「パトロン会員」として支援している「NOMAD NEW'S BASE(ノマドニューズベース)」。イベントスペースとカフェを併設した24時間営業のコワーキングスペースだ。この経営も若手起業家が行っている。奥田氏もサテライトオフィスとして活用している
奥田氏が「パトロン会員」として支援している「NOMAD NEW'S BASE(ノマドニューズベース)」。イベントスペースとカフェを併設した24時間営業のコワーキングスペースだ。この経営も若手起業家が行っている。奥田氏もサテライトオフィスとして活用している

 そして、奥田氏が現在手がけるビジネスの多くに、この時できた〝仲間〟が深く関わっている。ビジネスという枠を外した付き合いが、逆によりよい次のビジネスを生んだのだ。

■「違い」を受け入れる
 さらに大切なことは「人との価値観の違いを受け入れること」と奥田氏は言う。自分がこうだと思っていることが、必ずしも正解とは限らない。特に海外の人であれば、文化風習の違いによって、ものの見方は変わってくる。
 これは、奥田氏がインドに留学していた時に学んだことだ。ある時、インド人の友人と待ち合わせをすると1時間も遅刻してきた。それを怒ると、謝るのではなく、「待っていたのだから怒るのはおかしい」と言われた日本では、1時間も人を待たせて謝らない人はいない。でもそのインド人の友人は、「自分なら、怒ったら帰る」と言う。友人にとって、待っているのはすなわち「怒っていない」ということなのだ。「ものの考え方はこんなにも違う」と奥田氏は実感した。こうした経験を重ねたことが奥田氏の考え方を柔軟にした。
 人と接する時も、自分と違う価値観があることが前提だ。違う考え方を持つ人と出会った時、「それはおかしい」ではなく、「こんな考え方もあるんだ」と受け入れることで、新たなアイデアを手に入れることができる。先入観なく付き合うことで、より多くの新しい発想に出会えるのだ。
 そうしていると、異なる価値観を持ちながらお互いを受け入れ、高め合える人が、自然と周りに集まってくる。こうして出会った人同士を結びつけることで、また新しいビジネスが生まれることもあるのだ。
 人との出会いはどこにでもある。出会いをただの〝知人〟で終わらせるか、〝仲間〟とするかは気持ちの持ち方一つで決まる。「チャンスはいつでも降ってきている」と奥田氏は言う。それをどうつかまえるか。それは本人の考え方次第なのだ。

<Company Profile>
ウィズグループ
東京都港区南青山1-14-7 WIZ青山
資本金 1000万円
従業員 7人
03-5785-0602
http://www.wizgroup.co.jp/
定期購読の詳細はこちら(Fujisanへ)
定期購読の詳細はこちら(Fujisanへ)

※記事は作成日時点のデータですので、あらかじめご了承ください。

関連カテゴリ

関連記事

関連記事

RSS Feed

Biz STYLE RSS
RSSについて
人脈づくりのプロが教える「名刺交換のポイント」:中小企業経営・新規事業ほか企業経営に今すぐ役立つ! | Biz STYLE

新規事業/フランチャイズ情報:外食 | 美と健康 | 教育 | 食品流通 | 保険・不動産 | 支援ブランド
セミナー/イベント情報:経営セミナー | 事業説明会 | 経営課題別研修

Copyright ©2014 Link Solution Co.,Ltd.

経営者と経営幹部のための、経営情報・経営セミナーの「Biz STYLE | ビズスタイル」