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珍味の枠を超えたエンターテイニングフード

酒の肴で魅力的な「売場」づくり

伍魚福(兵庫県神戸市)

さきいか、チーズ、ビール豆など、酒の肴として親しまれている珍味。
その珍味を販売するだけでなく、「売場そのもの」までをも提案する「伍魚福」(兵庫県神戸市)。
商品販売と「売場づくり」を組み合わせたビジネスモデルを確立し、販路を拡大している。

■「面白さ重視」の商品開発
 カシューナッツなのに色が黒い。題して、「備長炭カシューナッツ」。色が黒いのは、備長炭のパウダーを表面にコーティングしているためだ。手に取った人は、一様にその意外性に驚き、友人や知人にも味わってもらおうと、何袋も購入してしまう。
伍魚福が企画・販売する珍味の数々。酒の肴として、魚介類や肉類などの加工品から、木の実やスナックまで、バリエーション豊富な品揃えがある。写真は人気商品の「備長炭カシューナッツ」「いかなごのくぎ煮」「ピリ辛さきいか天」など
伍魚福が企画・販売する珍味の数々。酒の肴として、魚介類や肉類などの加工品から、木の実やスナックまで、バリエーション豊富な品揃えがある。写真は人気商品の「備長炭カシューナッツ」「いかなごのくぎ煮」「ピリ辛さきいか天」など

 酒の肴である珍味を製造し、卸販売している伍魚福には、強いインパクトで思わず購入したくなる商品が、他にもたくさんある。
 商品開発のキーワードは、「エンターテイニング」。「珍味は見た目が地味な商品が多い。一目でインパクトを与えるような面白さがあってもいいと思った」と伍魚福・山中勧社長は語る。
 山中氏は、10年ほど前にアメリカの料理の本を見て、「エンターテイニング」という言葉が料理に使われているのを知った。それ以来、珍味開発のキーワードとしてこの言葉を使っているという。
 同社の商品の面白さは、社員からのアイデアを募集して企画されるところから得られている。企画は山中氏が5段階で評価し、実現性の高いものが商品化される。
 一度ボツになった企画でも、ブラッシュアップし、復活させることもある。「なるべく社員のアイデアを取り入れるようにしている」と山中氏は言う。

■珍味販売から売場づくりへ
 同社の営業は、同業他社のように単に珍味を販売するだけではない。「売場そのもの」を提案することに特徴がある。
 たとえば、紅葉の季節には、秋の味覚を生かした珍味を前面に並べた売場を提案。クリスマスシーズンには、クリスマス用の珍味を前に押し出した売場を提案する。
 同社が扱う200種類以上の珍味の中から、その時に合わせた特集を組み、それに沿って商品を選び、展開する。多様な珍味の組み合わせで「売場そのもの」をつくることができるのだ。
伍魚福が提案する「珍味売場」。ジャンルを超えた多彩な珍味が数十種類以上並ぶ。季節やターゲット層に応じて配列を変え、常に目新しさを感じさせる売場にしている
伍魚福が提案する「珍味売場」。ジャンルを超えた多彩な珍味が数十種類以上並ぶ。季節やターゲット層に応じて配列を変え、常に目新しさを感じさせる売場にしている

 もともとは、近畿の酒屋中心に珍味単品を販売していた同社。独自の販売提案ができるようになったのには理由がある。
 珍味販売は、スーパーに卸す場合、ハムやソーセージを販売するメーカーはチーズやピーナツは売らないなど、カテゴリーごとにそれぞれ別のメーカーが販売するシステムになっている。
 一方、酒屋では、珍味コーナーの面積が限られていることもあり、一社でいろいろな珍味を扱って欲しいという要望が強かった。酒屋がメインの販売先であった同社は、この声に応える形で、自社で扱う珍味の種類を増やしていったという。「スーパーが販売先に加わった時には、扱える珍味の種類は350種類以上に増えていた」(山中氏)。
 こうして要望に応えるうちに「売場そのもの」を提案するようになっていったのだ。

■全国200社の工場と提携
 豊富な商品の数々は、「全国にある約200社の協力工場でつくっている」と山中氏。
 同社の商品は、数ある工場の中から企画に適した工場に依頼し、商品化する。そのため地域限定の食材を使った珍味も製造できる。これが、「面白い商品」をつくる基盤になっているという。
 伍魚福のように、価格の安いもの、特産品、小ロットのものと、顧客のさまざまな要望に合わせた商品を揃えるためには、協力工場の存在は欠かせない。
人気のある「伍魚福天」(5種類の魚のすり身を合わせた天ぷら)は、主婦である従業員のアイデアから生まれた
人気のある「伍魚福天」(5種類の魚のすり身を合わせた天ぷら)は、主婦である従業員のアイデアから生まれた

「協力工場が全国にあるので、顧客の要望に合わせることができるだけでなく、リスクも分散できている」と山中氏は言う。複数の工場で商品をつくることで、一箇所が事故にあった場合でも、別の工場で代わりに生産できる。そのため販売先への納品が滞るリスクを減らすことができるのだという。

■買う気を高める「コトPOP」
 売場づくりの工夫はまだある。「この商品を買ったら楽しい気分になりそうだ」「買って帰ったら、息子が喜びそう」と、買う理由を喚起することも重要なのだという。つまりは購買意欲を高めるということだが、その手段の一つとして、「コトPOP」がある。
伍魚福の山中勧社長。「珍味の世界に、エンターテイメントの要素を取り入れたかった」と語る
伍魚福の山中勧社長。「珍味の世界に、エンターテイメントの要素を取り入れたかった」と語る

 一言コメントを書いたカードをスーパーの売場や陳列商品の前に掲示。「こんな珍味、食べたことない!」「息子もパクパク食べちゃう!」などの興味をそそる言葉を並べる。
 売場のテーマや商品の豆知識、店員の写真付商品紹介をカードに書いて掲示すると、それを見て、「買ってみようか」と思う人が出てくる。こうして購買意欲が増加し、売上も伸びるのだ。
 「コトPOP」は、販売先であるスーパーに大好評。「うちのお店でもやってみたい」「もっと情報を教えて」という声が、同社に多く寄せられている。
 そんな、食べる人を楽しませる「売場」づくり。これらが、今後の同社を発展させていくに違いない。

<Company Profile>
伍魚福
兵庫県神戸市長田区野田町8-5-14
資本金 1000万円
従業員 65人
078-731-5735
http://www.gogyofuku.co.jp/
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※記事は作成日時点のデータですので、あらかじめご了承ください。

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