中国在住の著者が語る真の中国の姿
<中国では今こうなんです>近頃、中国ではやるもの――無店舗販売
ベンチャー・リンク2009年4月号掲載
中国在住の著者が、自身で見聞きした中国の現状を語ります。にわかには信じがたい話もありますが、本当に中国では今こうなんです。
![]() ふだんは店主が近くに隠れていて、客が来たら近寄る形の露天商。 |
路上販売していい場所で、その許可をきちんと取ったうえでの露天商もいるが、ゲリラ的に出没する“無許可露天商”のほうが多い。特に出稼ぎ労働者の露天商は、ほとんどが無許可だ。そのせいか、この原稿を書くにあたって、かなりの露天商に向かってカメラを構えてみたが、たいていは怒られた。「撮るな!」と飛びかかってくる人も少なからずいて、コソッと遠くから素早く撮らざるを得なかった。
ともあれ、資金力のない若者や田舎からの出稼ぎ者にとってみれば、露天販売は手っ取り早い。経済失速や大卒者の就職難、出稼ぎ労働者の大量失業が叫ばれる昨今の中国では、この手の露天商がますます増えていくであろう。良し悪しは別として、中国人は実に商魂たくましいのである。
最近、とみに増えているのが衣料品露天商。衣料品は腐らないことが強みだ。さらに、若者がにわかにおしゃれになったうえ、親の財布まで握っているような時代にマッチした商品といえる。就職難を受けて、卒業したばかりの大卒露天商もいるそうで、資金力も販売力も就職先もない若者でもできる商売の1つとして、人気があるという。大学の近くや、繁華街の路上には毎夜多くの衣料品露天商が集まるのが、多くの都市の見慣れた光景だ。
![]() 「売ります!」「至急!」などと張り紙された車が見られるようになった。これも一種の露天商? |
このシンプルな露天商は、やはり出稼ぎ農民が圧倒的に多い。そして彼らの多くが無許可販売なので、常に周囲の様子をうかがっていて、警察が来ると蜘蛛(くも)の子を散らすようにいなくなる。衣料と食べ物の二大露天商に加えて、各種の雑貨を売る露天商が、“中国三大露天商”だと個人的に思う。
さらには、通行人に声をかけて違法なものを売る“広義の露天商”もいる。例えば盗聴器や盗撮カメラにアダルトビデオ、偽札・偽学生証・偽社員証などのアングラもの。そして究極は「人」。単純労働者から売春婦まで、あらゆる「人」を斡旋する「人買い」までも地域によっては出没する。一度、ある地方都市の電車(汽車)の駅前で、人材斡旋をしているという怪しいお兄さんに「ねえ、養子が欲しいんだけど、あんた斡旋できる?」と聞いてみたことがある。すると「希望(の年齢と性別)は?」と即答され、こちらが焦ったものだった。
はたまた、いま売り出し中の“新しいタイプの露天商”もある。代表例が携帯アートだ。携帯契約数が6億件にも上る中国。特に若者は自分の所得水準はさておき、高くて格好よくて個性的な携帯を持ちたがる。そこで、携帯に絵を描いたり、日本発のアートである「デコ」を施したり、自作した個性的な携帯ストラップを売るのだ。
なるほど、職のない若者にとって路上販売が1つの活路となっていることは、疑いようもないだろう。しかしながら、路上販売よりももっと若者に身近で盛んになりつつあり、可能性を秘めているのがインターネット販売だ。こちらについては、また改めて書きたい。
※記事は作成日時点のデータですので、あらかじめご了承ください。

















