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「胡瓜美水(きゅうりすい)」

<ヒットのツボ>規格外キュウリを有効活用 肌と環境にやさしい化粧品

須賀川市農業開発公社 ベンチャー・リンク2009年2月号掲載

曲がったり、色付きが悪かったりすると規格外とされて出荷できず、これまでは漬物などの加工品にするほかは廃棄処分していた。自然の恵みを棄てるのはあまりにももったいないと開発したのが胡瓜美水である。

製品の特徴

1890円(税込み)
1890円(税込み)
Point!
曲がったり色が悪かったりして一般に出荷できないキュウリを使っているのでエコロジカル
Point!
キュウリは古くから肌の手入れに用いられてきた。
Point!
肌への刺激を抑えるため、香料、着色料はいっさい使っていない。
Point!
サラサラと軽い使い心地で、ほのかに甘い香りがする。


化粧水「胡瓜美水」は、出荷選別の際に規格外とされ流通ルートに乗らないキュウリを原料として生まれた天然基礎化粧品だ。発売したのは福島県の須賀川市農業開発公社。須賀川市は露地栽培のキュウリの収穫量が日本一で、「岩瀬キュウリ」の名で知られ、みずみずしくパリッとした歯ごたえと甘味で評判を呼んでいる。

胡瓜美水は、抽出したキュウリエキスを地元の天然湧き水に溶かし込み、ボタンエキスとヒアルロン酸を配合している。肌への刺激を抑えるため、香料や着色料などは使用していない。自然がギュッと詰まった商品として、敏感肌の女性たちに注目されている。

手に取るとサラサラと軽い使い心地で、ほのかに甘い香りがする。入浴後、顔の血行がよくなっている時に、冷蔵庫で冷やした胡瓜美水をコットンにたっぷり含ませて軽くたたくように肌を湿らせれば、毛穴が引き締まり、空気が乾燥している時でも朝まで肌の潤いが保たれると好評を得ている。

ヒットへの道のり

2100円(税込み)<br />第2弾商品「胡瓜美潤」。主成分に保湿効果のあるモモの葉エキスを高配合し肌荒れや乾燥から肌を守る。
2100円(税込み)
第2弾商品「胡瓜美潤」。主成分に保湿効果のあるモモの葉エキスを高配合し肌荒れや乾燥から肌を守る。
規格外キュウリを活用するとともに、須賀川市の特産品をアピールして町おこしを図るため、須賀川市と農業開発公社が開発費用を折半した。自然化粧品のOEM(相手先ブランドによる製造)を行なっているコスメサイエンスが、市内に工場を建設する予定があったことから、商品開発を委託し製品化にいたった。

販売も基本的にコスメサイエンスに依頼しているが、自助努力も欠かさない。観光名所の須賀川牡丹園の入場者への試供品配布、県内のイベントでの出店など、職員は慣れないながらも営業活動に奔走している。空の玄関口である福島空港でも積極的に販売するなどして、愛用者は九州にまで広がった。

品質の確かさは繰り返し購入する人が多いことが裏付けている。「ようやく肌に合う化粧水とめぐり合えました」「自然のものからできているので安心できます」など、同公社には顧客から感謝の言葉が寄せられている。価格は、地元の生産者でも使えるように採算ぎりぎりの1890円に設定。町おこしの商品だからできた価格だ。

現在の販売状況

2006年に誕生した胡瓜美水は、初出荷の3000本を完売。追加の5000本も完売間近となり、さらに5000本の増産を予定している。

07年にはシリーズ第2弾となる美容クリーム「胡瓜美潤」の販売を開始した。この製品は、キュウリエキスに加え、やはり保湿効果があり、肌荒れにいいと古くから用いられてきたモモの葉エキスをたっぷりと配合している。市内で生産するモモの木を剪定した際に切り落とした葉を使用、胡瓜美水と同じく肌にも環境にもやさしい。

十分な手応えを得た現在は、第3弾の基礎化粧品開発を進めるなど、キュウリシリーズをさらに充実させていきたいと担当者は意気込んでいる。



開発秘話

韓国のエステティックサロンで
使われているのをヒントにした


農業開発公社の役割は、農業経営の生産性を高める助言や指導を行なうことであり、はじめは化粧品に携わるのが文字通り“畑違い”に思われました。

野菜から化粧水を作るなど考えてもいなかったのですが、須賀川市から特産物による町おこしの話が持ち上がり、協議するなかでキュウリは肌の潤いを保つといった意見が出てきました。そこで調べてみると、韓国のエステティックサロンでは、すりおろしたキュウリを顔に塗るキュウリパックが定着していると分かりました。

商品のネーミングやパッケージのデザインなどで何度も検討を重ねました。キュウリ飴など加工食品開発の経験はあったのですが、化粧品は初めてだったので戸惑いました。でも、やりがいもありましたね。

おかげさまで、“ご当地コスメ”の人気は上々です。「胡瓜美水」は消費者だけでなく私たちにも自然の恵みをもたらしてくれました。

伊藤儀人理事長
1937年福島県生まれ。55年白江村(現・須賀川市)役場に就職。87年助役に就任。97年岩瀬村長に当選し、05年まで務める。農業開発公社は併任で事務長、常務理事を経て、97年から現職。

須賀川市農業開発公社
【所在地】〒962-0302
福島県須賀川市柱田字中地前22番地
【設 立】1980年5月
【資本金】1500万円
【売上高】2500万円(08年3月期)
【従業員】2人
【事業内容】特産品開発および製造・販売、農地保有合理化事業(市全域を対象に農地の賃貸借事業を展開)、農業展示圃管理、木・竹粉砕機のリース

文・水野美奈子

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