社会保険労務士が公的資金の活用方法について解説します。
<助成金Q&A>介護未経験者確保等助成金について
社会保険労務士・中小企業診断士 加藤美香
事業運営に必要な助成金の知識をわかりやすく説明します。
これまでに介護関係業務に従事したことのない未経験者を雇い入れる際に受給できる、介護未経験者確保等助成金について説明しています。
訪問介護を行なう会社ですが、利用者の増加に伴って、従業員を新たに雇い入れようと検討しています。この場合に何かもらえる助成金があれば、教えてください。
介護未経験者確保等助成金をご紹介します。この助成金は、これまでに介護関係業務に従事したことのない未経験者を雇い入れ、1年以上継続して雇用することが、確実である場合に受給できるものです。
解説
1.受給するための要件
この助成金を受給するためには、(1)~(5)のすべてを満たすことが必要です。
(1) 雇用保険を事業所に適用していること
(2) 介護サービスの提供を事業として行なう事業主であること(兼業であっても対象となります)
(3) 介護関係業務の未経験者を雇用保険の一般被保険者として雇い入れ、1年以上継続して雇用すること (ただし、一般被保険者には、所定労働時間が30時間未満のパート、アルバイト等は含まれません)
(4) 介護労働者雇用管理責任者(※1)を選任し、周知していること
(5) 未経験者の雇い入れ日の前日から起算して6カ月前の日から支給申請までに、他の雇用保険の被保険者を事業主の都合で解雇していないこと
(6) 未経験者の雇い入れ日の前日から起算して6カ月前の日から支給申請までに、特定受給資格者(※2)が、雇い入れ時点の雇用保険の被保険者数の6%を超えていないこと
(7) 過去に、この助成金の支給を受けた場合は、最後の支給から1年以上経過していること
(8) 労働者の離職、雇い入れ、賃金の支払いなどの状況を明らかにする書類を整備していること
※1)介護労働者雇用管理責任者とは
介護労働者の雇用管理の改善への取り組み、介護労働者からの相談への対応、その他、介護労働者の雇用管理の改善などについての管理業務を担当する者をいいます。
※2)特定受給資格者とは
倒産・解雇等により再就職の準備をする余裕がなく離職を余儀なくされた雇用保険の受給資格者のうち、解雇や退職勧奨で離職した者をいいます。
2.対象となる労働者の要件
(1) これまで介護関係の業務に携わったことがないこと
(2) 下記の表の業務に従事する者として雇い入れられた者であること
(3) 雇用保険の一般被保険者であること
(4) 1週間の所定労働時間が30時間以上であること
(5) 満65歳以上の者や新規学卒者(最終学歴から1年を経過しない者)でないこと
(6) 過去1年間に同一の事業主のもとで雇用された者でないこと
(7) 資本的および経済的関連性などからみて独立性を認められない事業主からの雇い入れでないこと
■介護保険法の規定によるサービス
| 都道府県が指定・監督を行なうサービス | |
|---|---|
| 介護給付を行なうサービス | 予防給付を行なうサービス |
| ◆居宅サービス <訪問サービス> ・訪問介護 ・訪問入浴介護 ・老人訪問看護 ・訪問リハビリテーション ・居宅療養管理指導 <通所サービス> ・通所介護 ・通所リハビリテーション <短期入所サービス> ・短期入所生活介護 ・短期入所療養介護 <その他の居宅サービス> ・特定施設入居者生活介護 ・福祉用具貸与 ・特定福祉用具販売 ◆施設サービス ・介護福祉施設サービス ・介護保健施設サービス ・介護療養施設サービス ◆居宅介護支援 ・居宅介護支援 |
◆介護予防サービス <訪問サービス> ・介護予防訪問介護 ・介護予防訪問入浴介護 ・介護予防訪問看護 ・介護予防訪問リハビリテーション ・介護予防居宅療養管理指導 <通所サービス> ・介護予防通所介護 ・介護予防通所リハビリテーション <短期入所サービス> ・介護予防短期入所生活介護 ・介護予防短期入所療養介護 <その他の介護予防 サービス> ・介護予防特定施設入居者生活介護 ・介護予防福祉用具貸与 ・特定介護予防福祉用具販売 |
| 市町村が指定・監督を行なうサービス | |
|---|---|
| 介護給付を行なうサービス | 予防給付を行なうサービス |
| ◆地域密着型サービス ・夜間対応型訪問介護 ・認知症対応型通所介護 ・小規模多機能型居宅介護 ・認知症対応型共同生活介護 ・地域密着型特定施設入居者生活介護 ・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 |
◆地域密着型介護予防サービス ・介護予防認知症対応型通所介護 ・介護予防小規模多機能型居宅介護 ・介護予防認知症対応型共同生活介護 ◆介護予防支援 ・介護予防支援 |
■その他の介護サービス
・障害福祉サービス
・地域活動支援センターにおいて行なわれる入浴、排せつ、食事等の介護及び機能訓練
・知的障害児施設において行なわれる入浴、排せつ、食事等の介護
・知的障害児通園施設において行なわれる入浴、排せつ、食事等の介護
・盲ろうあ児施設において行なわれる入浴、排せつ、食事等の介護
・肢体不自由児施設において行なわれる入浴、排せつ、食事等の介護
・重症心身障害児施設において行なわれる入浴、排せつ、食事等の介護
・身体上または精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者の居宅において行なわれる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話
・特定福祉用具販売および特定介護予防福祉用具販売以外の介護福祉用具の販売
・その他、厚生労働大臣が定める福祉サービス又は保健医療サービス
3.受給できる額
対象となる労働者1人につき、6カ月間の支給対象期ごとに、25万円(1年間で合計50万円)を受給できます。また、最初の雇い入れから6カ月の間に雇い入れた合計3人までの助成を受けることができます(最大150万円)。
支給対象期(6カ月間)ごとの助成額 → 第1期25万円、第2期25万円
4.受給するための手続き

(1) 平成20年12月1日以降に介護関係の業務に従事させる未経験者を雇い入れます。
※ただし、助成対象となるのは1事業主3人までです。
(2) 雇い入れ日から6カ月を満了した日の翌日から起算して1カ月の間に、都道府県労働局に第1期の支給申請を行ないます。
(3) 申請内容について審査があり、適正であれば、助成金が支給されます(第1期)。
(4) 第1期満了後も継続して6カ月継続雇用し、1年経過した日の翌日から起算して1カ月の間に、都道府県労働局に第2期の支給申請を行ないます。
(5) 申請内容について審査があり、適正であれば、助成金が支給されます(第2期)。
ワンポイント!
賃金締め切り日が定められている場合は、雇い入れ日の直後の賃金締め切り日の翌日が助成対象期間の起算日となりますのでご留意ください。また、賃金締め切り日に雇い入れた場合は雇い入れ日の翌日、賃金締め切り日の翌日に雇い入れた場合は雇い入れ日が起算日となります。
5.よくある質問
Q1 すでに介護関係の資格をもっている者でも、これまで介護関係の業務に従事していない場合は、対象となりますか?
A1 介護関係の資格をもっているかどうかにかかわらず、介護関係の業務に初めて就く場合は、対象となります。
Q2 登録ヘルパーであった人は対象となりますか?
A2 登録ヘルパーや派遣労働者として介護関係の業務に従事したことがある人は対象外となります。
Q3 第1期に助成金の申請を行なっていない場合に第2期の支給申請はできますか?
A3 第1期に助成金の申請を行なっていない場合であっても、要件を満たせば、第2期の支給申請は行なうことができます。
Q4 他の介護関係の助成金をもらった場合でも受給できますか?
A4 介護基盤人材確保助成金、介護雇用管理助成金等を受給している場合には、この助成金は受給できません。その他にも、同一の事由で他の助成金を受けた場合には、この助成金を受給できない場合がありますので、都道府県労働局に確認が必要です。
【問い合わせ先】
○各都道府県労働局
http://www.mhlw.go.jp/general/sosiki/chihou/
○管轄公共職業安定所(ハローワーク)
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※記事は作成日時点のデータですので、あらかじめご了承ください。














