復活の手だてはあるのか
<外食業界>曲がり角に立つファミレス業態
(2008年4月24日更新)
かつては外食の代名詞となっていたファミリーレストランの売り上げ不振がつづいている。もはや業態自体が陳腐化してきたといわれているが、その現実はどうなっているのか。
売り上げ不振がつづくファミレス業態
セブン&アイ・ホールディングスは4月10日、2011年2月期までの中期経営計画を発表した。08年2月期の連結営業利益が減益となったことを受けて外食、総合スーパーなど不採算店を閉鎖。今期43億円の赤字となったデニーズなどの全680の外食店のうち140店を閉鎖するとした。
このように外食産業の経営環境は厳しさを増している。人口減で需要が縮小している上、相次ぐ値上げで消費者の生活防衛意識が強く、とくににファミリーレストラン(=ファミレス)の不振が顕著だ。昨年後半からガソリン価格が高騰し、消費者が車での外出を控えたことも痛手となった。
ファミレスの不振は統計的にも顕著に表われている。日本フードサービス協会が3月24日に発表した2008年2月市場動向調査によると、2月のファミリレスの売上高は、既存店ベースで前年同月を3.4%下回った。
同協会によると、2月期には中国製冷凍ギョーザの中毒事件を受けて、ファミレス各社には中国産食材を使っているかどうかの問い合わせが相次ぎ、消費者の間では自宅で食事をする「手作り回帰」が広がったとみられている。しかしファミレスの売上高が前年実績を下回ったのは、5カ月連続。昨年2月からの1年間を通じては、9月期以外はすべて前年実績を割るという結果に終わった。
業態自体が成り立たない!?
財団法人外食産業総合調査研究センターによると、ファミレスの売上高減少の大きな要因として、主要顧客だった団塊世代の利用減少と、06年秋の飲酒運転取り締まり強化があるとしている。
1970年にファミリーレストラン業態が誕生して以来、その歴史と歩みを同じくしてきた団塊世代がリタイアし、利用が減少した。「ファミレス全盛期は、1回の利用客数の平均は3人以上でした。いまは2人を割っている」(同センター関係者)傾向にあり、ファミリーのためのレストランという業態が成り立たなくなっているのが現状だという。客層の個人化が進むなかで、吉野家やマクドナルドに代表されるファストフードとの競争も激化してきている。
また郊外型ロードサイド店が多い業態にとって、アルコールのオーダーは、他のメニューに比べ利幅が大きい分、収益を支える頼みの綱であった。もちろん飲酒運転は厳として慎むべき所為だが、飲酒運転取り締まり強化により一気に影響を受けた格好だ。
さらに売り手市場となっている業界全体の人員不足もファミレス不振に輪をかけているようだ。専門店に対抗するために、ひと手間かけたメニューの提供を試みているが、そのために必要となる経験豊富な人材の育成が追いつかない。「大手になり店舗数が拡大することによって、各店に味のばらつきが見られるようになってきた」(同センター関係者)。
高齢化市場など多様化に対応
もちろんこれらの現状に対して、既存のファミレスも手をこまねいているだけではない。たとえばロイヤルホストは昨年夏に8店舗を改装し、2人用の座席を大幅に増やし、ペット連れの利用も見込んでテラス席も導入した。客層の個人化に対応し、ペット客の新規需要を取り込むための改装だという。
また一方で、国の施策として家族や仲間と一緒に食事を摂る「共食(きょうしょく)」を推進する流れも生まれてきている。高齢者の健康促進に有効な考え方とされているが、ロイヤルホストも協力企業として名を連ねている。ここにも新しいファミレスを模索する姿がうかがえる。
誕生以来、外食産業の花形として存在して生きたファミレスであるが、いままさに曲がり角を迎えていることは間違いないようだ。業態として生き残りをかけた戦いがこれからもつづく。
セブン&アイ・ホールディングスは4月10日、2011年2月期までの中期経営計画を発表した。08年2月期の連結営業利益が減益となったことを受けて外食、総合スーパーなど不採算店を閉鎖。今期43億円の赤字となったデニーズなどの全680の外食店のうち140店を閉鎖するとした。
このように外食産業の経営環境は厳しさを増している。人口減で需要が縮小している上、相次ぐ値上げで消費者の生活防衛意識が強く、とくににファミリーレストラン(=ファミレス)の不振が顕著だ。昨年後半からガソリン価格が高騰し、消費者が車での外出を控えたことも痛手となった。
ファミレスの不振は統計的にも顕著に表われている。日本フードサービス協会が3月24日に発表した2008年2月市場動向調査によると、2月のファミリレスの売上高は、既存店ベースで前年同月を3.4%下回った。
同協会によると、2月期には中国製冷凍ギョーザの中毒事件を受けて、ファミレス各社には中国産食材を使っているかどうかの問い合わせが相次ぎ、消費者の間では自宅で食事をする「手作り回帰」が広がったとみられている。しかしファミレスの売上高が前年実績を下回ったのは、5カ月連続。昨年2月からの1年間を通じては、9月期以外はすべて前年実績を割るという結果に終わった。
![]() さまざまな試行錯誤のなか、ブッフェ(=ビュッフェ)形式のファミレスも考えられている |
財団法人外食産業総合調査研究センターによると、ファミレスの売上高減少の大きな要因として、主要顧客だった団塊世代の利用減少と、06年秋の飲酒運転取り締まり強化があるとしている。
1970年にファミリーレストラン業態が誕生して以来、その歴史と歩みを同じくしてきた団塊世代がリタイアし、利用が減少した。「ファミレス全盛期は、1回の利用客数の平均は3人以上でした。いまは2人を割っている」(同センター関係者)傾向にあり、ファミリーのためのレストランという業態が成り立たなくなっているのが現状だという。客層の個人化が進むなかで、吉野家やマクドナルドに代表されるファストフードとの競争も激化してきている。
また郊外型ロードサイド店が多い業態にとって、アルコールのオーダーは、他のメニューに比べ利幅が大きい分、収益を支える頼みの綱であった。もちろん飲酒運転は厳として慎むべき所為だが、飲酒運転取り締まり強化により一気に影響を受けた格好だ。
さらに売り手市場となっている業界全体の人員不足もファミレス不振に輪をかけているようだ。専門店に対抗するために、ひと手間かけたメニューの提供を試みているが、そのために必要となる経験豊富な人材の育成が追いつかない。「大手になり店舗数が拡大することによって、各店に味のばらつきが見られるようになってきた」(同センター関係者)。
高齢化市場など多様化に対応
もちろんこれらの現状に対して、既存のファミレスも手をこまねいているだけではない。たとえばロイヤルホストは昨年夏に8店舗を改装し、2人用の座席を大幅に増やし、ペット連れの利用も見込んでテラス席も導入した。客層の個人化に対応し、ペット客の新規需要を取り込むための改装だという。
また一方で、国の施策として家族や仲間と一緒に食事を摂る「共食(きょうしょく)」を推進する流れも生まれてきている。高齢者の健康促進に有効な考え方とされているが、ロイヤルホストも協力企業として名を連ねている。ここにも新しいファミレスを模索する姿がうかがえる。
誕生以来、外食産業の花形として存在して生きたファミレスであるが、いままさに曲がり角を迎えていることは間違いないようだ。業態として生き残りをかけた戦いがこれからもつづく。
※記事は作成日時点のデータですので、あらかじめご了承ください。















