市場を読み解く 「居酒屋」 団塊ジュニア世代編 | Biz STYLE

Biz STYLE 経営者・経営幹部のための総合経営情報サイト

Biz STYLEホーム > ビジネスマガジン > 市場を読み解く 「居酒屋」 団塊ジュニア世代編

ビジネスマガジン

第1特集 消費者アンケート調査をもとにしたトレンド分析

市場を読み解く 「居酒屋」 団塊ジュニア世代編

(月刊ベンチャー・リンク誌2006年4月号、5月号掲載)

団塊世代編では、戦後のベビーブームに生まれた団塊世代が既存の居酒屋チェーンを利用しない理由として挙げた「個性がない」ことへの対策として、店の個性を際立たせる「キャラ立ち戦略」を提唱した。団塊ジュニア世代編では団塊世代の子供たちである団塊ジュニア世代に焦点を当て、居酒屋の差別化戦略を提唱したい。

■団塊ジュニア世代は2種類ある  
団塊世代編では、戦後のベビーブームに生まれた団塊世代が既存の居酒屋チェーンを利用しない理由として挙げた「個性がない」ことへの対策として、店の個性を際立たせる「キャラ立ち戦略」を提唱した。団塊ジュニア世代編では団塊世代の子供たちである団塊ジュニア世代に焦点を当て、居酒屋の差別化戦略を提唱したい。
居酒屋に対する団塊ジュニア世代のニーズを把握するには、この世代の特徴を正しく認識する必要がある。とかく、「団塊ジュニア世代はとらえにくい」「マーケティングが難しい」といわれるが、それは団塊ジュニアの特徴をきちんと把握していないことに原因があることが多い。一般的に、現在20代後半から30代前牛の世代を「団塊ジュニア世代」と総称する場合が多いが、消費社会研究家の三浦展氏によると、この世代は「真性団塊ジュニア世代」と「ニセ団塊ジュニア世代」に分けられる。詳しくは次のとおりだ。
①ニセ団塊ジュニア世代
1971~1974年に生まれ、2006年で32~35歳の世代。「第2次ベビーブーム世代」であり、一般的には団塊世代を親にもつ「団塊ジュニア」といわれている。しかし、正確には団塊世代より上の世代を親にもつことが多く、真の意味で団塊世代を親にもつわけではないということから「ニセ団塊ジュニア世代」と定義している。
②真性団塊ジュニア世代
75~79年に生まれ、06年で27~31歳の世代。団塊世代を父にもつ人の割合が高く、真の意昧での「団塊ジュニア世代」であることから「真性団塊ジュニア世代」としている。


■中流以下の意識強まる真性団塊ジュニア世代 
リンク総研が06年2月に全国の20~40代の男女1000人を対象にインターネットで実施した「生活意識調査」では、「真性団塊ジュニア世代」と「ニセ団塊ジュニア世代」の消費性向に数々の違いがあることが明確になった。
まず、真性団塊ジュニア世代とニセ団塊ジュニア世代は、年齢による要因もあるが年収に開きがある。ニセ団塊ジュニア世代は就職して約10年が経過し、世帯年収500万円以上が約65%を占め、経済的に少し余裕が生まれてきている。これに対し、真性団塊ジュニア世代の世帯年収は男性で500万円未満が約半数と経済的余裕はあまりない。

また、自分自身の生活レベルがどの階層に入ると思うかを聞いたところ、真性団塊ジュニア世代の49%が「中の下」もしくは「下」と回答した。
こうした年収や生活意識に裏打ちされた違いがより顕著なのが、外食への出費である。
「『日常の食事としての外食』と『ぜいたくしたいときの外食』は使い分けているか」という問いに対し、真性団塊ジュニア世代は「使い分けている」が約40%と半数に満たず、「外食の日常化」が多くみられる。一方、ニセ団塊ジュニア世代は78%が使い分けており、明確に「ハレの外食」が存在する。
また、「おいしい店なら多少高くても行ってみるほうか」という問いには、ニセ団塊ジュニア世代の39%が行ってみると回答しているのに対して、真性団塊ジュニア世代では18%にとどまっている。

■「真性」は低価格志向「ニセ」はグルメ志向
このような、真性団塊ジュニア世代とニセ団塊ジュニア世代の差異は、居酒屋へのニーズにも表われている。アンケートで居酒屋を利用する際の選択基準を聞いたところ、真性団塊ジュニア世代は一番目に「価格が安い」(真性64%、ニセ55%)を挙げているのに対して、ニセ団塊ジュニア世代は一番目に「料理がおいしい」(ニセ70%、真性60%)を挙げている。
 また、よく利用する居酒屋については、真性団塊ジュニア世代は「白木屋」「和民」が多く、ニセ団塊ジュニア世代は「土間土間」が最も多い。
「白木屋」「和民」と「土間土間」で団塊ジュニア世代が感じる違いは何か。それを明確にするため、各チェーンの利用者に「料理・メニュー」「接客」「雰囲気」「価格」に対する満足度を5段階評価で尋ねた。4点以上を満足しているとして集計したところ、「和民」は価格に対する満足度が全チェーンの中でもっとも高く、「土間土間」は「料理・メニュー」をはじめ、「価格」を除く3項目でもっとも高いことが分かった。

■「超低価格業態」と「アッパー業態」の2極化
今後、団塊ジュニア世代向けの居酒屋は、「超低価格業態」と「アッパー業態」に2極化すると考えられる。
真性団塊ジュニア世代は、今後ますます所得や生活意識の低い層が増え、居酒屋の価格に対する評価がいっそう厳しくなってくるだろう。05年の立ち飲みブームも、彼らのそうした価値観が反映された現象と受けとめられる。大手チェーンもこれを反映した戦略を打ち出している。三光マーケティングフーズは、「東方見聞録」「月の雫」に続く新業態として、より低価格の「黄金の蔵」を展開して既存店の不振を補う方針だ。ワタミは、低価格の炭火焼き業態「わたみん家」を「和民」からの業態転換の主軸に据えて、攻勢をかける。
一方、ニセ団塊ジュニア世代に対しては、満足できる料理を、よい雰囲気で提供することが求められる。こうした業態としては、湯葉と豆腐の懐石料理が高い支持を受ける「梅の花」などが挙げられ、アンケートでも「値段の割にぜいたくをした気分になれるし、接客がしっかりしている」(34歳女性)、「おいしいし、雰囲気がいい」(31歳男性)といったニセ団塊ジュニア世代の声が聞かれている。
以上のように、団塊ジュニア世代を狙う居酒屋は、ターゲットとなる世代の特徴を抑えることがポイントであり、特に真性団塊ジュニア向けの「超低価格業態」が成功するためには、緻密な価格設定のノウハウが必要とされる。

※記事は作成日時点のデータですので、あらかじめご了承ください。

関連カテゴリ

関連記事

関連記事

RSS Feed

Biz STYLE RSS
RSSについて
市場を読み解く 「居酒屋」 団塊ジュニア世代編:中小企業経営・新規事業ほか企業経営に今すぐ役立つ! | Biz STYLE

新規事業/フランチャイズ情報:外食 | 美と健康 | 教育 | 食品流通 | 保険・不動産 | 支援ブランド
セミナー/イベント情報:経営セミナー | 事業説明会 | 経営課題別研修

Copyright ©2014 Link Solution Co.,Ltd.

経営者と経営幹部のための、経営情報・経営セミナーの「Biz STYLE | ビズスタイル」